日本音楽即興学会(JASMIM)2009大会報告



'On improvising music and speech: an ethnomusicological perspective'


卜田隆嗣 

SIMEDA Takasi

(大阪教育大学教育学部)


【概要(大会抄録記載)】


音楽即興行為は、improvisationという西洋語に刻まれた意味合いとは無関係に、人類がずっとやってきたと言っていいでしょう。それは言語行為と同様、パタンをそしてシステムを確立しつつ同時にそれらから逸脱していかざるをえない社会的営みであります。友だちとおしゃべりをすることを即興と呼ばないのに、なぜ音楽について即興とわざわざことわるのでしょう。ベイリーの言う 「イディオマティック」な即興は、音楽から言語への移しかえをうまくすれば、ほぼ私たちの発話行為と重なるのではないでしょうか。


書かれた原稿を朗読する芸ではなく、おしゃべりの技を堪能し、それについて語る。当然価値体系も別のものとなりましょう。特殊な朗読の世界と肩を並べようとするのではなく、また朗読が前提とせざるをえない「沈黙の聴き手」抜きに、音楽即興について考えてみること。21世紀になってもまだ民族音楽学に果たせる役割があるとしたら、それはこのあたりかもしれません。



【報告】

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