日本音楽即興学会(JASMIM)2009大会報告



'Multi idiomatic improvisation: an examination of the mixing of various musical styles in group improvisation'


寺内大輔

TERAUCHI Daisuke

(九州大学大学院芸術工学府)


【概要(大会抄録記載)】


D. ベイリーの著書「Improvisation」は、即興演奏におけるイディオムについて深く考察した代表的な研究のひとつである。彼は、即興演奏を「イディオマティック(イディオムに根ざした)」と「非イディオマティック(イディオムに根ざさない)」という二つの主要な形態に分類した。


しかしながら、私がこれまでに実践してきた即興演奏、とりわけ異なるバックグラウンドを持つ者同士の共演においては、演奏中に異なるイディオムが同時に表現されることは少なくない。私は、このような即興表現を、第3の形態「マルチ・イディオマティック(異なるイディオムを混在させる)」として提案したい。


多様式混在の音楽表現は、これまでにも様々な作品や音楽実践に見られる。例えば、多様式混在を意図したルールが設定されたJ. ゾーンの即興演奏のためのゲーム作品「コブラ」や、打楽器アンサンブルの演奏と同時にロマン派のレコードを再生するよう指示されているJ. ケージの室内楽作品「クレド・イン・アス」などがそうである。本発表では、こうした先例を考察し、私自身の実践報告も交えつつ、「マルチ・イディオマティック・インプロヴィゼーション」の定義づけを試みる。



【報告】


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