日本音楽即興学会(JASMIM)2009大会報告



'Short various improvisations by piano solo with the form 'introduction, development, turn and conclusion' or AABA /TOSHIMORI Akira'


【概要(大会抄録記載)】


即興に何らかの形式を入れることを、よく考え実践しております。形式は、たとえば、一定のテンポであったり、主従役を決めることであったり、尻取りであったり、起承転結であったり、あるメジャーキーであったり、さまざまです。


私はジャズをよく演奏しますが、スタンダードジャズは、たとえば、一定のテンポ、4拍子、32小節のコードパターンの繰り返し、という形式の入った即興です。形式にとらわれて即興性が減退することはよくあることでしょうが、そうならないためには、どうしたらいいのでしょうか?


今回は、短時間の起承転結を、即興で、できるだけバラエティをつけて数多く演奏します。起承転結といっても、わかりやすくするため、何を弾くかはAABA、どのように弾くかは起承転結、聞こえ方はどうなるでしょう、というようなものになると思います。





【報告】



1つのAABAは数10秒で、まず、Cメジャーのキーで数回、そして無調的に数回、最後に再びCメジャーのキーで1回、AABAを演奏しました。


スタンダードジャズはAABA形式が多いですが、多数回反復するのに理解しやすい形式です。その形式の性質を即興によって探ることができるでしょう。形式の性質と言えば固定的な響きがありますが、即興によるので、形式の性質を探ることは(その形式に影響を受けるものの)時間の性質を探ることと同居するでしょう。例えば、Aの特定は、1回目のAが終わったとき一応なされますが、それだけでなく、2回目のAが終わったときに見直され、AABAが終わったときに完成します。1回目のAが終わったからと言って、Aを演奏したこと(Aを聞いたこと)にはなりません(演奏については目標を言っております)。


また、複数奏者がAABAなどの形式を即興で共演する場合、主従関係、つまり「ソロとバッキング(伴奏)関係」を導入すれば、うまくいくかもしれません。ソロとバッキング関係を即興によって探ることができるでしょう。この場合も、その関係はヒエラルキー的な響きがありますが、即興によるので、ソロ・バッキング関係を探ることは、共演関係そのものを探ることと同居するでしょう。例えば、バッキングが、何を演奏するかわからないソロに通常の意味で従うだけなら常に遅れてしまいます。

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