内容紹介
私たちは音楽のヒューマニズムから自由になれるのだろうか?
音楽が多すぎる時代に、音楽を取り戻す。
『音楽療法を考える』やマリー・シャーファーの翻訳などで知られる
臨床音楽学の第一人者が、高度資本主義、グローバル社会における
「不自由」な音楽を問い直す自由でしなやかな感性による音楽論!
明るく楽しい音楽はどこから来たのか?
なぜウケのわるい難しい音楽が創り続けられてきたのか?
なぜクラシック音楽がえらくなったのか?
なぜ巷には聞きたくないのに音楽が溢れているのか?
どうして芸術家が構想する社会改革は失敗に終わるのか?
なぜみんな音楽から遠ざかりはじめたのか?
──みんな、不要となった音楽の掟にわれわれがしばられているからだ。
音楽によるヒューマニズムの押し売りに辟易しているあなたへ──。
著者について
1948年、東京生まれ、大阪育ち。現在は京都在住。1976年、東京芸術大学大学院音楽研究科作曲専攻修了。
広島大学教育学部教授、神戸大学大学院発達科学研究科教授を経て、
現在、神戸大学名誉特任教授および広島大学名誉教授。専門は臨床音楽学。
主な著書に『奏でることの力』(春秋社)、『音楽療法を考える』(音楽之友社)、
『親のための新しい音楽の教科書』(サボテン書房)。
訳書にマーティン・クレイトン他『音楽のカルチュラル・スタディーズ』(アルテスパブリッシング)、
デイヴィッド・グラブス『レコードは風景をだいなしにする』(フィルムアート社)、
『フリープレイ―人生と芸術におけるインプロヴィゼーション』(フィルムアート社)などがある。