日本音楽即興学会 JASMIM

The Japanese Association for the Study of Musical IMprovisation
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ニュースレター

 ユミ・ハラ・コークウェルさんにインタビュー#2/3

記載:2011年2月13日

JASMIMレター0031(2011.02.13)
[ユミ・ハラ・コークウェルさんにインタビュー#2/3]
インタビュアー・編集:歳森彰

本文

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JASMIMレター0031(2011.02.13)
[ユミ・ハラ・コークウェルさんにインタビュー#2/3]
インタビュアー・編集:歳森彰
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———–では、次の大会に行われると一応予定されているコンテストについて、お聞きしていいでしょうか? ハラさんが1回目大会に問題提起された教育における評価は、評価シートが中心になる、重要だ、ということと思います。コンテストは数字による評価をしないと順位は決められませんね。

そうですね。

———–そこが問題になる。

そうですかね。すみません、どういう経緯でコンテストをやることになっているのですか? 誰が言い出してどういう経緯でやることになっているか教えていただけませんか?

———–それは、大会終了直後、当日ですが、世話人会議をして、来年度はコンテストをしよう、ということになりました。

それはどうして、コンテストをしようということになったのですか?

———–それを今ぼくの口からまとめては言いづらいのですが。

わかりました。なんでそんなことになったのかというのがわからないから、こちらかも何を言ったらいいのかわかんない部分もあるので。どうなんでしょうか。何を言ってもいいんですか? 差しさわりがあるようなことがあるのですか?

———–いえ、全くありません。

別にないんですか、何を言っても。

———–今までのご意見としては、例えばコンテストは全く意味がないとか、ありました。

一応全部読んでます。では別にいいんですね、何を言っても。

———–はい、どうぞ。

まず、私は何かをやることに対する是非には興味がないんですよ。やる意味があるとかないとかね。

*ハラ注:
そもそも私は、好むと好まざるとにかかわらず評価をしなければ科目として認められない教育現場の現実において、教える方も教えられる方も、評価を評価する外部の試験官も全てが納得できる即興演奏の評価作りをすることにのみ興味があったのであって、教育現場以外で即興演奏を評価するなどということには全く関心がなかった。なので、何故コンテストをやるという話になったのか、歳森さんにしつこく聞いているのである。
*注終わり

———–はい。

やるんならやるでいいと思います。実は私、ロンドンで1998年に即興のコンテストに出たことあるんです。そのコンテストがどうでしたとか、そんなことは興味ないですか? どういうふうにやったのかとか。

———–参考に・・・。

コンティニュアム・アンサンブルという現代クラシック系のアンサンブルがあって、その人たちが企画して、エディ・プレヴォストが審査員で、それで3位に入賞しました。クラシック現代音楽系の参加者が多かったです。

それでどういふうにやったかというと、予選と本選があって、どちらもお題が出るんです。短いフレーズみたいな。それが譜面に書いてあって、それを元に即興をやる。どういう解釈をしてもいい、っていうことで、めちゃくちゃにしちゃってかまわない。

例えば、モーツアルトやベートーベンの時代の即興の感じですよね、そういうのって、お題を出して戦わせる、昔、そんな即興勝負みたいなのがあったじゃないですか、クラシックで。そんな発想なのかな、って思ったんですけど。

結局、優勝はデュオの人たちでした。何のデュオだったか忘れちゃったですけど。デュオの方が強いな、という気がしたんですけど。そのコンテストがあったおかげで、コンクールで3位に入賞しましたたって履歴書に書けるじゃないですか。そういうものがあると、いいと思うんです。受賞歴として。いいんじゃないですかね。コンテスト自体はいいと思います。

*ハラ注:
ここで盛んに「そういうものがあるといい」と言っているのは、作曲にも沢山コンクールがあり、演奏にも沢山コンクールがあるが、即興にはそれほどないから、受賞歴を得るチャンスが少ないでしょ、という意味。英国では大学のポストや助成金応募のための履歴書とか応募用紙に受賞歴を当然のように書くようになっているので、作曲や演奏の分野と比べて不公平である、と言いたいのである。
*注終わり

でも、学会としてやるんだから、ただやるんじゃなくて研究対象にしなくちゃいけないと思うんですよ。私が提案したいのは、自分としては評価の問題に興味があるから、ちゃんと評価の方法を作って、クライテリアを作って、チェックボックスを作って、何人もの人に、例えば10人の審査員に評価してもらう。

それで、審査員によって違いがあるのかどうかを比較研究したいですね、できることなら。

———–つまり共通の評価シートに対しての評価実験という意味ですね。

そうそうそう、それで評価の基準が妥当なのかどうか、人によって、即興に対する評価というのが、そんなに主観的なものなのかどうか。私の仮説は、意外と、そんなには人によって変わらないんじゃないか、というのが私の仮説、というか実感なんですけどね。

———–第1回大会のシンポジウムのとき、そのようなことを言われてましたね。

はい。で、それをもうちょっと科学的にするために、例えば私が大学でやっていることは、大学の相棒の先生と比べたり、外部ですけどいつも来てるExternal Examinerと比べているから、ある種、美意識を共有しているところがあるので、そんなに違わないのかもしれない。あるいは学生同士もずっと一緒に勉強しているから、文化を共有しちゃっているところがあるし。そうじゃなくて別のところからきた審査員にやらせて、審査にどれくらい違いがあるのかというのは、興味があるところです。

———–評価シート自体の問題はどうでしょうか?

別の人に評価シートを作らせて、何種類か。あるいは自由でもいいから、ちゃんと評価基準を文章化した上で、評価する。いくらでもやり方あるんじゃないですか?

———–大掛かりですね。

だって学会だもの。何人も人がいるんだから、いいじゃん。世界的にアナウンスして(笑) 違うの?(笑)

———–評価シート自体に賛同しない人もいるかもしれません。

だから賛同しない人にやってもらえば面白い。

———–ハハハ(笑)

せっかくなんだから、研究対象が寄ってきてくれるわけだから。なかなか研究対象を集めるったら大変なことだけど、コンテストで寄ってくるんだから、これを利用しない手はないでしょう。

———–ま、その実際に、そのことにかかる人がどの位いるかどうかですね。

私、そういうことになればオーガナイズしますよ。声かけるのはなかなか大変ですけど。ただ、私、実は統計の専門家じゃないんで、統計の専門家の人が必要ですけどね。

———–例えば、いくつか評価シートを3種類位用意して、10人位の人に書いてもらうとかですね。


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