日本音楽即興学会 JASMIM

The Japanese Association for the Study of Musical IMprovisation
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ニュースレター

 NL37 [コンテスト素案と、コンテスト行き止まり]

記載:2011年3月26日

JASMIMレター0037(2011.03.26)
[コンテスト素案と、コンテスト行き止まり]
文責:歳森彰

次期大会で開催を模索していたコンテストについてのご報告です。

本文

JASMIMレター0037(2011.03.26)
[コンテスト素案と、コンテスト行き止まり]
文責:歳森彰
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次期大会で開催を模索していたコンテストについてのご報告です。
結論としてコンテストは行き止まりました。

まず、コンテストに関するインタビューでの意見や、会員MLに投稿された意見を参考に、次期大会実行委員会の素案メンバーで議論した結果、次のように実験色を濃くしたコンテスト素案をまとめました。

————————————–コンテスト素案抜粋

コンテスト募集要項(案)
名称:
(和)『JASMIM音楽即興実験コンテスト』
(英)[The JASMIM Experimental Contest of Musical Improvisation]

音楽即興演奏募集!
あなたが思う、あなたが実践する音楽即興とはなんですか? ご自身の演奏をYouTubeで聴かせてください。

主催:日本音楽即興学会

募集概要:
ジャスミン(日本音楽即興学会)では、音楽即興における演奏、学術両面の活性化のため『第1回JASMIM FORUM』と題して「コンテスト」およびコンテストの審査を議題とする「シンポジウム」を開催します。これは、当学会が本年、実験的に行うものです。このうち、コンテストの出場者を広く募集します。ふるってご応募ください。

応募する方はお読みください:
このコンテストは、出場者の順位決定を目的とするものではありません。コンテストという形をとることによって、いろいろな音楽即興の問題を明確化するためにおこなう実験です。その問題はシンポジウムで討論されます。その結果は(コンテストが成立するかどうかは)、未知数です。やってみなければわからない、なにが起こるかわからない、ということも含めて実験的なものです。このように、通常のコンテストとは性格が異なることをご理解の上、ご応募ください。

応募方法:
・応募料:無料
・応募の演奏はYouTubeにアップすること。時間制限:10分以下
・演奏/作品に関する説明が必要な場合は、YouTubeに記載すること。
・応募演奏は著作権所有権をクリアしていること。

審査方法:
予備審査と本審査(大会当日)の2回。予備審査通過者は入選とし、本審査に出席、演奏できること(出場できることが条件)。しかし、事情により出場できない演奏者のために、大会当日のYouTubeでの出場枠を設ける(2組以内)。

シンポジウムについて:
このシンポジウムは、会場の出席者全員および出演ミュージシャン全員を交え、コンテストを振り返りながら議論を行うものでオープンな討論審査会です。その結果、コンテスト順位が決まる場合もあれば、決まらない場合もあります。審査そのものより、議論のプロセスが主体となります。

————————————–コンテスト素案抜粋ここまで

上記の素案は、素案メンバーとしてはコンテスト反対派にも考慮し実験色を強くした苦心作だったのですが、その後の次期大会実行委員会の会議で、コンテストは行き止まりました。

————————————–コンテスト行き止まり

2011.02.27次期大会実行委員会スカイプ会議メモより

・学会が「コンテスト」を主催すること
・会員外に公募すること
についてどうしても認められない、という強い意見がありました。

詳しくは:
・コンテストという価値付けは、通常の(学会が研究者などに与える)賞とは性格が異なる
・自然科学で、研究対象に関して賞を出すのはナンセンス。例えば、今年一番の流れ星など
・人文科学で、対象に対する価値付けは、人の営みが対象なので、政治的。文学学会が小説コンテストをするようなもの

ではコンテストに代わるものとして何をすべきか:
・演奏家にとっての学会のメリットを探る
・熟成されていくのはよいこと
・継続的に深めることができるのがよい
・コンテスト的よりも、実践のありようと向き合う
・質的な研究
・例えば、演奏家が自分が評価してほしいこと v.s. 他人の評価
・クリティックとは、の議論
・演奏の公募は会員内に限る

————————————–コンテスト行き止まり、ここまで

コンテストに代わるものとして「演奏に関するラウンドテーブル」案を作成中です。


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