日本音楽即興学会 JASMIM

The Japanese Association for the Study of Musical IMprovisation
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日本音楽即興学会(JASMIM)2013大会報告1

日本音楽即興学会 第5回学術大会 大会報告
大会テーマ:音楽即興の実践と研究をつなげる

2013年の日本音楽即興学会の学術大会が11月9日、10日の2日間、広島大学にて行われました。その様子をレポートします。今回は1日目を広報の寺尾孝太さんが、2日目は会員の牛嶋敦子さんが担当してくださいました。

全体レポート1日目

日本音楽即興学会の5回目の大会はこれまでの神戸大学から場所を移して東広島市にある広島大学で行われました。広島大学の広大なキャンパスの中を歩くと赤や黄色の紅葉が鮮やかで、今回の会場のG棟の前にはイチョウの木が並んでいました。

今回の大会には広島近辺からだけでなく東北、関東、関西など各地から多くの方が参加されました。懐かしい顔ぶれや今回、補助金をいただいた東広島市の市民の方、広島大学の学生など初めて参加される方も多くいました。会場の中に設けられた「憩いスペース」では参加者が自由に交流していました。

大会は総会から始まりました。寺内大輔大会長のあいさつのあと、この1年間の運営や会計の報告、会則変更の提案などがありました。また、新たに理事から学会賞創設についての提案があり、この準備を進めていくということで了承されました。

1日目の最初のプログラムはシンポジウム「即興と作曲作品の演奏における相違と類似性:言葉がもたらすもの、もたらさないもの」でした。座長にユミ・ハラさん、パネリストに大会ゲストのクリス・カトラーさん、落晃子さん、石上和也さん、酒井康志さんを迎え行われました。即興の中で言葉はどのような意味があるのか、パネリストの経験が紹介され、またフロアからの意見も織り交ぜながら音楽と言葉の関係、また演奏者と聞き手の関係など議論が深まっていきました。

続いてのプログラムは落晃子さんの演奏発表「さまざまなセンサを活用したフィジカル・コンピューティングによる即興演奏」でした。まず、最初に落さんが命名にこだわられた様々な○○ミンと呼ばれる楽器が紹介され、会場を楽しませてくれました。演奏はcamera-minを使ってパソコンのカメラに写る明るさなどをセンサがキャッチして音を出すという、とても興味深い発表でした。

続いて、今大会最初のラウンドテーブルは依田拓さん、ヨダアミさんによる「即興における調和とは何か?」「Geonoriの場合」「GEONORI」でした。発表者の山田亮さんが大会に参加できなくなった代わりに急遽、大会に来られていた橋本さんが加わってくださいました。愛知を拠点に活動されている発表者の演奏や即興音楽における疑問が紹介され、音楽的調和と即興的調和、演奏者間での差異や衝突の話から即興演奏における演奏者の力関係の話題も議論されました。フロアからの経験も紹介され、議論が尽きませんでした。

休憩を挟んだあとの1日目の待望の企画はクリス・カトラーさん、ユミ・ハラさんによるデュオコンサート。コンサート前の休憩時間にはこのコンサートを聴くために来られた方も多く、会場はコンサートを心待ちにしている様子でした。なんと!クリスさんは生ドラムでは通常デュオをやられないようで、今回のコンサートは貴重なものとなりました。会場は40分間、お二人の音楽に魅了されました。

コンサートのあとは会場を広島大学の生協レストランに移し、交流会が行われました。発表の中で聞けなかったことや、参加者のみなさんの普段の活動の情報交換など、料理とお酒を交えながら、楽しい時間を過ごし1日を終えました。 (すみません、交流会を楽しむあまり、写真を撮り忘れていました。ご想像いただければ・・・)


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