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JASMIMレター0008(2010.10.22)
[若尾裕代表へのインタビュー#2:今後の展望、次回大会のコンテストについて]
インタビュアー・編集:歳森彰
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学会世話人代表の若尾裕さんにインタビュー#2です。
———–(インタビュアー) では、次回の大会でコンテスト開催と、コンテストの評価自体を議論することが計画されているんですけど、何か、お考えになることは?
(若尾裕) 正直言って、どうなるんだろう、としか思えないですけど(笑) でも、やってみると、それなりにやった結果、意義が出てくるんではないか、と。
最初からコンテストはこうあるべきで、コンセプトを決めて、こんな評価基準で、もしそういうことをやったとすると、コンテストの概念そのものは変わらないことになっちゃいますよね。
半分分からないけど、やってみたら、こんなふうになってきて、そんなことが必要なんだと思います。つまりコンテストの概念を変えていくということ、それがコンテストに含まれなければ面白くも何ともない。
今までコンテストでやっているのは、既成の価値体系を守るためにやっているものですね。例えば、職人さんのコンテストってあるじゃないですか、世界的にいろいろ。左官さんだとか。何分間にどの位きれいに壁が仕上げられた人が世界チャンピオンになるとか。
これって結局のところ、ある伝統芸と言いますか、決められたものを守っていく、ということですよね。ショパン・コンクールだって、チャイコフスキー・コンクールだって、みんなそういうことですよね。
われわれがやるとしたら、そういうコンクールは意味がない。即興というのは自由な概念として捉えていくとしたら、元々こういうのが上手、というのがあったら困るわけです。
だけど、コンテストをするためには、何らかの価値概念が本質的に必要になってくる。
ぼくが構想しているのは、その矛盾のなかでどうやるか、ということです。矛盾をきれいに整理したら非常につまんないものになる。
———–この第2回大会では、各自、音源を持ってきてもらって、「よい即興、わるい即興」というテーマでシンポジウムを行ったのですけども、次のコンテストでしたら、実演に対して、その評価のあり方を議論することになりますね。
そんな形式も面白いですね。演奏した人も含めて、あーだ、こーだと議論するみたいな。それで、最終的に誰が優勝者になるか、というのは、面白いかもしれませんね。
———–ご本人がどう言われるか、とか。
そうですね。コンテストって、出場者は何も言えなくて、人から評価を下されるだけですよね。だけど、そういうのもあれば面白そうです。演奏して、点が出た後で、何でお前こんな点つけるんだよ、言ってみろよ、なんて(笑)
———–はい(笑) コンテストの参加者を募るには、なるべく早くから広報した方がいいので、春までには募集したいところです。
そうですね。
———–では、何か、その他に、運営、会員のコミュニケーションのことについて何かコメントを。
もうちょっと会員が増えていかないといけない、それをどうするか。
———–何かコンテストするならするで、何かをアピールをして知名度を上げるとかですかね。
どうでしょう。やっぱり、一番重要なのは学会として機能することなので、ここには、こういう研究領域がある、一番最初に言ったように、確立されていくことだろうと思います。何々学という、その内容が決まらないところでやっているわけなので、多分に苦労もあるし、時間もかかるかもしれません。
それをやっていくうちに、認知していかれれば、会員数も増えていくのではないかと思います。
———–シンポジウムや議論としては、評価の問題と、音楽療法の問題が、その2本が、中心的なものとして続いてきました。評価に関しては、先日言われていた、音楽即興が教育現場に入るとき、この学会としては、どのような考えを持っているか、というのを、何か示せるようになればいい、みたいなことは?
そうですね。ちょっとわからないですけど。例えば、サイエンスの学会が教育に対してこうあってほしいとか、発信はしていますよね。例えば、理科離れは困ったことだから、理科教育に力を入れるべしである、とか。
そう言う形ではなく、即興に関していろんな考え方があるので、そういうところに関して、もうちょっとすっきりした視点を提供できるようになっていけばいいな、と思います。
すっきりした、というのは変な言い方ですけど、もっと言えば、それぞれの人で立場で手垢のついたものの集合が、今、即興の考え方だと思うんですけど、それを、もうちょっと、個人的な手垢のないようなところの、それはどうやっても残るんでしょうけど、それをなるべく少なくするような努力はしていった方がいいと思います。
———–はい。では、この位で。これからも、ちょこちょこ、考えをお聞かせください。ありがとうございました。
ありがとうございました。